2011年1月29日土曜日

春歌三首

春立ちて風はきのふの風ながらけふはとくらむ峰の白雪

春の夜の月の照らせる枝の雪も香の隠れねばそれと知りけり

君がため干つるともなきわが袖もけふは若菜にかこつべきかな

前回の反省。

「ことばの花」というのは(本文にも書いたけど)やっぱり新しい感じがする。辞書で見つけてしまったので安易に使ったが、用例は風雅和歌集からであった。

さて春の歌。馬鹿馬鹿しいと思うだろうが、馬鹿馬鹿しいことをまじめにやるのがこのブログの趣旨なのでその批判には甘んじる。本当は火曜から十首作る意気込みだったがとても無理だった。

2011年1月25日火曜日

なにはづ

なほ言加へむ。冬ごもりと名付けたるは、なにはづの歌になむよれる。
なにはづに咲くやこの花冬ごもりいまを春べと咲くやこの花
この歌は安積山と並びて手習ふ人のはじめにもしけり、と古今集の仮名序には言へり。冬ごもりことばの花の咲く春べ来るらんときはいつしかとまつ、など言はんこそ歌がましう、うるさからめ。

 ことばの花、といふ文字、あまり新しきにや。

前回の反省。
  • 歌の意味が不明ではないか(笑)。
  • 「たはぶれしことなむありける」ははじめ「たはぶれしこともなむありける」としようとしたが、「もなむ」の例が少ないということなので入れなかった(『古代日本語文法』p. 190)。しかし使ってもよかったか。
  • 「ものの知らねば」はいわゆる「『を』に通う『の』」のつもりでそのようにした。
  • 「はしたなきことありなんこそ心憂けれ」がなんか自信ない。「はしたなきことのありなんこそ……」「はしたなきこともやありなんとこそ……」のほうがよかったのかな。

2011年1月22日土曜日

冬ごもり

冬ごもりこのまこのまにふりつめば言の葉見えん春ぞ来たらん

これよりはいにしへざまに書くべし、とたはぶれしことなむありける。いま、をこごとならで、と言はんいとあやしからん。ものの知らねば、をかしき筋うち出で来、はしたなきことありなんこそ心憂けれ、いかがはせん。おのが幼きを知らずはなかなかならん。

まづあやしき歌よりはじめつ。これは玉勝間をまねびてかくしつるなり。

はじめに

数年前から、古文を読むようになった。それで pearlyhailstone というブログを書いたりもした。

古文はおもしろい。しかし、辞書と文法だけではわかったと言い切れない文章にもよくぶつかる。なので自分でも書くことにしました。はっきりいって自分でもあたまおかしいと思うけど、やってみないとどうなるかはわからない。半年やったらどうなるか、一年続けたらどうなるか。

方針としては、


  • 文体は主として平安時代の日本語を手本にする。そうするのがいいと本居宣長も『玉勝間』かどこかで言ってたし。

  • 無理矢理現代語を混ぜない。つまり実質書ける内容は制限されるということだが、まあ意味のある制限だろう。

  • とにかく何か書く。現時点で何を書いたらいいのか、正直まったくわからない。和歌を作れればいいのかもしれないが、それは難しそうだ。それにくじけずがんばる。



とりあえず、この挨拶だけは現代語で書きました。あ、あと、べつに気が違ったわけではないので(笑)、ご意見ご指摘ご感想等のコメントは現代語でくださってかまいません。たぶんものすごく孤独な戦いになると思うので何か書いてくれると心が安まります。とりあえず、前回(pearlyhailstone)同様、一年をめどにがんばります。

いざ。